旅の夢

★the journey of i&a&d
全開の窓からgの部屋を覗き込む
中には布団がみっつ、綺麗に敷いてあった
gの部屋は角部屋だ
そこへgが帰ってきて、「もっと泊まっていけばいいのに」と言う
しかしもう**荘の予約はキャンセルできない
gは布団の上を、ごろごろと転がった
私達はここを去る前に、少し立ち寄ったのだ
aは何故か全裸で、腰をくねくねと動かしていた
「dの目の前で、やめなよ」と私が言うと、「あはは」と笑った


★the journey with LOVER
海の沖に浮かぶ遺跡に船で行く
龍の彫刻を施された石の塊が、ぽつんと浮いていた
細長い用水路というか噴水の一部分のような形状で、先端の龍の口からは今も水がどぼどぼと流れ出している
破損はほとんどなく、とても遺跡には見えなかった
海のただ中に石の龍がぽつんと一匹、とても異様な雰囲気
まわりの海はかなりの透明度らしく、龍の上から飛び込む人もいた
私達はゆっくりと進む船の上から、ただその存在を見つめるだけだった


★一人旅
とあるアジア圏の国に一人でいた
さっき龍を見に行った海に臨む街だった
巨大なテーマパークのような寺院がこの土地の観光資源である
あまりに巨大なので入り口が幾つもあり、さらに数分ごとにおびただしい数の人がそのそれぞれから出入りしていた
入り口はスラム街にも幾つかあった
スラムはまわりの土地より一段低くなっていて、酢の腐ったような匂いが立ち篭め、ビンボー人が溢れかえっていた
人の出入りがあまりに激しいので中に入るタイミングを掴むのさえ難しい
しかし、中に入ってしまうと「あの大勢の人々はどこに?」と思わずにはいられないほど広く閑散としているのだった
内部は薄暗く、正方形の巨大な部屋がいくつも連なった構造をしていた
置物があったり仕掛けがあったりする部屋と何もない部屋があった
全てのもの(仕掛けやオブジェ、仏像、映像、そしてそれらの配置までも)がその世界(夢の世界、もしくはそこの神的世界)の真理を表わしている様だった
寺院を出る頃には、何故か四人づれになっていた


「I don't speak Korean.」