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ココシリ

中国最後の秘境ココシリ。
海抜4700mの厳しい自然、チベットカモシカの生息地。
しかしその数は、乱獲によって20年間で100万頭から1万頭に激減。
密猟を取り締まり、ココシリを守ろうとする民間のパトロール隊は、
武器も金も食料も乏しい中、命がけで密猟者を追う。
北京から来た記者ガイは、そこで何を見るのか。


海抜4700mなんていう環境は、本当に想像もつかない。
富士山が3776m、ユングフラウが4158m、そしてエベレストは8850m、途方もなさすぎる・・。
その自然の前では、人間は本当に無力。
身体ひとつで歩いてゆけば、寒さと雪と風に命を奪われる。
車があったとしても、流沙にのまれれば一貫の終わりである。
同じように、金の前でも人間は無力。
金がなく、人手もない民間パトロール隊。
資金のために、押収した毛皮を違法売買せざるを得ない。
金持ちが取り仕切る、巨大な密猟団。
生活のために仕方なく手を貸す元牧人。
二者の命運を分けたのは、自然の力、あるいは、金の力だったかもしれない。


がたがたのボロジープを駆り、仲間が散り散りになろうとも、気候が身体を蝕もうとも、違法を犯そうとも、
強い信念を貫き通したパトロール隊のメンバー達。
ため息が出る。


そして隊長リータイから始まるある命のリレーがガイを生かし、最終的には国のココシリ保護へと繋がっていく。
これは、実話。